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ポスト団塊ジュニア考

世代の定義について
CHAPTER04. 情報収集の意識と態度
■ 情報収集意欲は高い

今回のカスタマー調査で最も意外だったのは、ポスト団塊ジュニアの情報収集意欲の高さかもしれない。

あらゆる商品ジャンルが過度なまでに細分化され、膨大な情報を浴びせられ続けると、消費における選択の重みは軽くなり、情報は集めるより捨てるもの、情報をいちいち細かく吟味しなくなるという認識はマーケッターの一般常識といってもよい。

ところが、今回の調査では、「大きな買い物をする場合は」との限定をつけて情報収集に対する意識や態度を尋ねると、「一通りの知識を身につけるべき」「たくさんの情報を集めて比較検討する手間をいとわない」といった情報収集と比較検討に積極的な回答が、団塊ジュニア以下の若い層ほど高いことが確認された。

NRI(野村総合研究所)が実施している1万人の生活者調査でも、若い人に徹底探索型と言われる消費スタイルが多いことが明らかになっている。

■ 人メディアへの信頼

また、団塊ジュニア以下の世代で大きな特徴となっているのが、人メディアへの信頼度の高さである。「まず周りの人に聞いてみる」「体験者や詳しい友人の評価が一番頼りになる」といった信頼できる人的ネットワークを動員する意見は、団塊ジュニアとそれ以上の世代で大きな違いが見られる。

ポスト団塊ジュニアでは、「何かを調べる時はまずネットで検索してみる」という意見に加え、「何かを調べる時にはまず周りの人に聞いてみる」という意見も多く、情報収集のとっかかりに「人」が介在するケースが多くなる。

日常生活での情報メディアへの接触をみても、ブログ、SNS、掲示板、携帯メール、携帯ネットなどの、コミュニケーション型個人メディアの利用度がポスト団塊ジュニアで際立っている。

■ 情報・メディアの選別

逆に、「世間一般での評判や名声」や「マスコミ情報」への信頼度は、上の世代に比べて低くなっており、ポスト団塊ジュニアの”マス”に対する共感性の低さが指摘できる。

テレビ・雑誌は、上の世代と同程度の接触度が確認されるが、新聞やメルマガは明らかに利用度が低いことも特徴的だ。新聞とメルマガは、情報へのアクセスが自らコントロールできないという特徴で共通している。黙っていても、いや黙っていればいるほど、勝手に送りつけられてくるのが新聞とメルマガである。

このことは、ポスト団塊ジュニアが、大量の情報・メディアの中から、自分に意味ある、関心のある情報・メディアだけを選別していることを示している。

ちなみに、ポスト団塊ジュニアより上の世代のメディア接触をみると、団塊ジュニアを含む30代〜40代前半では、ネット通販、オンラインバンキング、ネットオークションなど流通チャネルとしてのネット活用が目立つ。また50代以上になると、新聞やチラシ、メルマガのようなプッシュ型メディアへの依存が高くなっており、世代とメディアの関係がくっきりと表れた。

ポスト団塊ジュニアの(大きな買い物をする場合の)情報収集行動の特徴をまとめると、以下の3点に集約される。
・ネット、リアルに関わらず、
・人的ネットワークを動員して
・自分に意味ある情報・メディアを選別


これらは、ポスト団塊ジュニアの情報行動に2つの性質を与えることになる。
・情報の個人化:個人的な価値観(=主観)が大きな影響力を持つ
・情報の重層化:レイヤーや形式の異なる情報を集める

■ 個人的な情報

この個人的という概念は重要である。 SNSでは、そもそも友人関係という繋がりが前提となって、情報のアクセス範囲そのものが閲覧者個人によって異なってくるし、ブログの情報には個人的な価値観・評価軸が含まれており、情報の解釈も提供者と閲覧者の関係性によって変化する。言ってみれば、ただ単に従来の口コミと同じような情報スタイルであるが、それがネットや携帯電話も介して、革命的に広く早く、乱反射するように展開されるということだ。

すなわち、Yahoo! 不動産や住宅情報ナビのような、誰がやっても(同じ検索ワードさえ使えば)同じ情報へアクセスでき、得られる情報に客観性があるような情報行動ではなく、情報検索者が誰かによって、得られる情報の内容も質も異なってくるし、情報の吟味という点でも個人的な関係が大きな影響力を持っている。

■ 重層的な情報

そうやって集められた情報には、「客観的な情報」も「主観的な情報」も混じり合っていて(明らかに「主観的な情報」に重きが置かれている)、横に並べて論理的に比較検討しようにも、情報のレイヤーもフォーマットもまったく異なっているはずである。

ポスト団塊ジュニアの情報行動は、同じレイヤー・同じフォーマットの客観情報を数多く集め、平面的な比較検討する情報誌のスタイルではなく、レイヤーもフォーマットも異なる重層的な情報を立体的に比較検討する、新しいスタイルである。

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